令和7年3月 第1回みやき町議会定例会における町長所信表明(一部抜粋)
皆様おはようございます。それでは、令和7年第1回みやき町議会定例会の開会に臨み、私の所信を述べさせていただきます。
去る2月23日に、みやき町合併20周年記念式典が開催されました。山口佐賀県知事、県内選出の国会議員、大場県議会議長、宮原県議会議員に御祝辞をいただいたほか、県内各市町の市長、町長、議長の皆様にも御臨席賜りました。また、みやき町プロモーション大使の宮原健一郎氏による国歌独唱、昨年9月に絵本作家としてデビューされましたみやき町在住の白浜ひさみ様に「調和の時代~みやき町から世界へ~」という演題での記念講演、アトラクションとしまして、風天太鼓保存会に和太鼓を演奏いただきました。若い力がみなぎり、みやき町の次の20年へ向けたメッセージとなるような式典だったと感じた次第です。
式典でも申し上げましたけれども、平成17年3月1日に3町が合併し、みやき町が誕生して20年、この期間は成長期だったのではないかと考えています。そして、これからの20年は成熟期です。若者からお年寄りまでが活躍しながら町に活気を与え、それでいて冷静沈着な判断ができる、そんな成熟したみやき町を実現していくべきですし、実現できると考えています。
私には、まだまだ実現すべき、そして、実現できる政策が山ほどございます。政策を推進すること、それは山登りに似ています。山の頂に目標があり、様々な登山ルート、つまり様々な政策分野からそこを目指す。そして、おのおのが山頂に行き着いたとき、その目標が達成されるのです。
まちづくり、「まち」を「つくる」とは、一つの分野に特化すればよい「まち」ができるわけではありません。全ての分野の底上げが成熟したみやき町をつくっていくことなのです。タケノコのように、あちこちに思いつきで政策を打ち立てても、注目はされたとて途中で立ち消える単発の政策で終わります。なぜなら目標にひもづいていないからです。
毎年一定額しかない町税や交付税などという収入をどんな政策に充てるのか。令和7年度当初予算は、人件費だけで2億円も支出が増えます。デフレの時代と違い、前年と同じ事業しかやらなかったとしても、物価高騰により予算だけは膨らむ、そのような時代をどうマネジメントするのか。では、人件費をどう抑えるか、増え続ける扶助費をどう抑制するか。だから、私は就任当初より財政問題を一番の課題といたしました。そして、それにひもづいて、医療費削減プロジェクトを立ち上げ、少しでも扶助費の削減につながるよう努めています。ボランティアにも力を入れ、元気で生きがいを持った社会貢献できる高齢者を増やすことも健康の秘訣、ひいては扶助費の削減です。
一方で、財政の体質強化を目指すには、基本的な収入、つまり町税を増やすことです。ですから、多くの企業誘致が見込める大規模工業団地造成を西寒水地区において計画しており、2月に地区説明会も終えたところです。企業からの固定資産税や雇用に伴う定住により町税増加が見込めます。ふるさと納税に関しても、クリーンなみやき町を実現し、より安全なものにしました。その結果、令和6年度寄附額は50億円を突破することが確実となっております。
これにより、ふるさと寄附金基金、つまりふるさと納税による町の貯金は、私が就任する前の水準に戻すことができます。このように、多くの政策は掲げた目標に向かっていくために実施すべきなんです。
そもそもなぜみやき町の財政が危険な状況にあるとこの4年間私が言い続けたか。それは決してみやき町があした潰れるという事実があるからではありません。ふるさと納税という臨時ボーナスのおかげで、過去に大盤振る舞いの政策が行われ、その政策がやめられなくなっているので、経常経費、つまり、町の予算全体における固定費が増え過ぎていて、町の基本的な収入を上回っているからです。これが一大事だと4年間言い続けております。ただ、それでもみやき町は今すぐには潰れません。なぜなら、ほかの自治体よりも多くの基金、つまり、貯金を持っているからです。しかし、ふるさと納税が何らかの理由で数年休止しなくてはならなくなった、もしくは、ふるさと納税の制度自体が見直され、それほど寄附が見込めない制度になってしまった、そんな場合、途端にみやき町が多くの事業を廃止していくしかなくなる訳です。そんな綱渡りの状態に町民を置いておくわけにはいかないというのが私の4年間の主張です。
私がみやき町のかじ取りをさせてもらうようになってはや4年、その間、町の借金は確実に減り、新たな借金は増えず、町税は少しずつですが、増えております。経常経費、つまり固定費に充てるふるさと納税は確実に減らしています。
財政の基礎体力をつける一方で、経常経費、つまり、固定費部分は基本的な収入で賄えるようなマネジメントを行う。その上で、町の課題である水害対策や学校施設の更新、行政施設の統廃合、スマートインターを含む道路インフラ、交通インフラの整備など、巨額の経費を要する部分に集中的にふるさと納税を使えるようにしていく。なぜなら、これらの大きなインフラ整備には、箱物と違い維持管理費がそれほど伴わない、ここにしっかりお金を使っていく、ふるさと納税を充てていく、これが大事だと思っています。
このように、みやき町の基礎的な部分に徹底的にメスを入れ、構造的に安定した自治体マネジメントができるようし、その上でみやき町ならではの特徴的な政策を打ち出していくことこそ、今、みやき町民が求めていることなのです。
これを継続し、私がやるべきことができたとき、第三次総合計画に掲げる「「共感」「協働」のまち みやき」が実現することでしょう。そして、周辺自治体の住民から、みやき町っていいよね、いいねみやき町と評価されるようになると確信しています。
これらのことを目指し、実現することを町民の皆様にお誓いし、令和7年度に向けた私の所信表明とさせていただきます。
みやき町長 岡 毅